隠れた名作「ロストオデッセイ」で永久を旅しよう
おじゃま館 長居店
2023年11月18日 15時34分
皆さんこんにちは。スタッフの蟲惑魔太郎です。
今回紹介するゲームはXBOX360から発売された「ロストオデッセイ」です。
↑ロストオデッセイの主人公、カイム・アラゴナー。
さて、「XBOX360のゲームなんて知らないよ!」という方に説明しますと、「ロストオデッセイ」はあの「ファイナルファンタジー」の生みの親、坂口博信氏が例の映画を作ってしまった影響でゲーム製作から身を引いたのち、「ミストウォーカー」という会社を設立して製作したRPGです。
坂口博信氏の最近の作品というと、「FANTASIAN」が有名ですが、このゲームはそれがリリースされるずっと前に発売されていたのです。
↑Apple Arcadeでリリースされた、ミストウォーカー製作のFANTASIAN
という訳で坂口博信氏はそういった「王道なシステムでありつつ斬新なRPGの制作」を非常に得意とする人物です。まあファイナルファンタジーの生みの親ですからね。
ちなみに「ロストオデッセイ」に登場する魔法名は「ウィンド」「ウィンダ」「ウィンデス」等と、非常に未練を感じるファイナルファンタジー風な魔法名となっております!
↑FFXを感じる戦闘画面
さて、そんな感じでどんな境遇のゲームかを紹介したところで、内容のお話になります。
30年前、「魔導力」というエネルギーが発見され、「魔導産業革命」が起こった世界。
当然のように人々の生活は変化し、戦争も様変わりする。
主人公カイム・アラゴナーはウーラ軍の少尉として戦争に参加、カント軍と戦火を交えていた。
しかし突如戦場に降り注ぐ隕石により両軍は壊滅。主人公カイムも巻き込まれてしまうのであった。
だがそんなカイムは無傷で生還。何故なら彼の正体は、記憶をなくし千年を生きる不老不死の男だったからだ。
主人公が不老不死という前代未聞のチートスキル持ち!
なんと戦闘中に死亡しても数ターン経過すればマジで蘇生します。
このゲームはそんな「不死者」数名と「通常者」数名が結束して戦う、素敵ストーリーRPGなのです!
↑主人公パーティ
このゲームの他とは違うところはもう一つあり、パーティメンバーのほぼ半分が血縁関係だったり親子だったりしているという部分です。
一番左のおじいちゃんは右から5番目にいる姐御の息子だったり、右端の双子は主人公カイム君とその左にいる女性の孫だったりします。身内で完結しすぎだろ。
「この見た目で孫とか息子???」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、不死者ゆえに子供よりも見た目がずっと若いという事が起きているのです。
そんな不死者たちの一人であるカイム君。
千年を生きる不老不死ではありますが、記憶をなくています。
このゲームのサブ要素としてカイム君のなくした記憶を収集するというものがあり、条件を満たすとサウンドノベル形式で語られていくというものです。
↑「ナイフ」等で有名な重松清氏が執筆しているオリジナルノベル。ちなみにゲームをプレイしていなくてもこれ単体で楽しめる。
ここで語られるカイム君の人生が本当にすごい。
千年という、殆ど永遠の時間が許された彼が、旅人として世界を放浪する。
時に本編のヒロインとは全く異なる家族を持ち数十年の時を過ごし、時に100年ぶりに訪れた街の変わってしまった様と変わらなかった物に思いを馳せる。
時にずっと戦争を行っていた国と国が和解する瞬間を見届け、時に一人の人間が生まれ老いて死ぬまでを見守ってゆく。
千年を生きる中で、彼にとってはほんのわずかの時間だが、そんな中で出会ってきた人とのストーリーが本当にすごい!
このサウンドノベル内では決して世界を救おうとはせず、されど世界を脅かそうともしない、ただ人を観察する役割を持った不死者として人と関わり人を知っていく。
これ一本でゲームにできるくらいのクオリティの作品がゲーム内に丸ごと入ってしまっているのです!
↑実際にゲーム内サウンドノベルが文庫本化されている。ゲームをプレイしていなくても楽しめる、重松清氏渾身の一冊。
そんなロストオデッセイ、ストーリーの面白さもさることながらシステム面もすごく良い!
不死者vs不死者が繰り広げる戦いや、急にFF8のeyes on meみたいな曲が流れる場面があったり、めちゃめちゃシドみたいなおじいさん(しかもセドとかいう名前)が登場したり、PS時代のファイナルファンタジーが好きな貴方なら是非ともプレイしてもらいたい作品です!
それでは!